日記 eイヤホン試聴記 2024年9月編

 とある用事で東京に行っており、少しだけ時間が取れたのでeイヤで改めてイヤホンの試聴をしてきました。
 前回の試聴でイヤホンと言いますがポータブルでの音質追及はちょっと無理となったのですが、その後Cayin C9の購入によりもう少し検証を続けようという事で。
 しかしながら、今の知見で取り敢えず何かを買うというのはあまりに見込みの薄い挑戦だと思ったので、上位価格帯についてもう少し確認したいなと。
 とは言えあまり時間が無かったのと以前の試聴経験から得た予測があったので、一つ一つをしっかりと聴き込むというよりは、確認する機種を増やそうという感じです。それで気になる機種があればちゃんと聴き込もうと。
 結果としては上位価格帯の中ではそう思えた機種は一つも無く、前回と変わらないとい結論となりました。
 勿論その中にある程度の差はあって、比較的まともな物から結構ヤベエ奴まで様々でしたが。
 まず、試聴した機種を列記。

・THIEAUDIO V16 DIVINITY
・64AUIDO Nio
・64AUDIO U18s
・FAUDIO MEZZO
・QDC EMPEROR
・Nostalgic Audio Tesseract(Universal Fit)
・Acoustune SHO-笙- MKⅢ
・MADOO TYPE821
水月雨 VARIATIONS
・MEZE AUIDO ADVAR

 BA多ドラやハイブリッド多ドラは、先にも書きましたが前回の試聴した時の経験から予想した範囲内。
 料理で例えて言うならば、凄く癖のある調味料や香草を使った、強い味付けの料理といった所。
 たまに食べる分には美味しいと思えるし、そういう物だとして楽しむ分には構わないけれど、毎日食べるには辛く、素材の味を楽しむのにも向いていないという感想です。
 まあこれはあくまで私の個人的な意見ですが、程度の差はあれやっぱり違和感が強かったり癖を感じたりで、私はこっち系統で音質追及は無理だと再認識しました。
 今回の確認でより強く思ったのは、BAの多ドラやハイブリッドの多ドラを本当の意味で使いこなしている所なんて存在しているの?という事。
 どうにもスペックありきで設計して、その後どうにか辻褄合わせしているという感が拭えません。まあぶっちゃけ辻褄が有ってる機種は未だ発見できてませんが。

 SHO-笙- MKⅢはSHO-笙-初代のチャンバー交換モデルですが、その真価を確認するために聞いてみました。
 結果としては、こちらも以前の初代試聴時に抱いた懸念がそのまま的中した感じで、純銀製のチャンバーという内容から想像された通りの音。
 元々あった素養が伸びる訳では無く(そもそもドライバは一緒だし)、高域が凄くキラキラしてて脚色バリバリ。ああ銀の音ですねという。
 使ってる素材の原価を考えればその価格上昇幅は納得できますが、音質的な面から言えばいくら何でもそれはないと言うレベルでしょう。個人的には初代の方がマシとすら思えますし。
 水月雨のVARIATIONSは個人的に同社のChaconneが好きなので聴いてみましたが、こちらもハイブリッドに感じる違和感はありました。
 構成しているドライバの数が少ない為かそこまで違和感は大きくありませんでしたが、敢えて購入に踏み切りたいと感じる要素は特に有りませんでした。
 MADOO TYPE821はこの日聴いた中で好意的な印象を受けた二つのうちの一つ(もう一つは後述のADVAR)。
 平面駆動型のシングルドライバですが、全体的に違和感が無く基礎性能も価格を考慮すれば文句なし。
 とは言え、糸竹管弦から買い替える程かというとそこまででは無く、それぞれに良い所はあるものの基本的には概ね互角の勝負という印象です。
 MEZEのADVARは方々で高い評価を受けているのを見ており、今回ようやく確認することが出来ましたが確かに良い機種だなと思いました。
 バランスが取れていますしある程度細かい所も見えますし、これと言った明確な弱点も特になし。価格を考えれば十分以上の出来でしょう。
 とは言え、じゃあ今の環境からステップアップできる機種かというとそういう訳ではありませんので、購入することは多分無いですが。

 今回の試聴の感想はこんな所です。やはり今の所、イヤホンは糸竹管弦で詰めていくのが順当かなと感じてます。