昨日Xでポストしましたが、ポータブル環境の母艦としてCayin N8 Brass Blackを購入しました。
今回この機種を購入するまでにはかなりの紆余曲折があったので、その辺りを中古相場の動向の観察結果と一緒に書いてみたいと思います。
まず、一番最初に決めた予算は出来れば10万円前後が望ましい、どんなに無理しても精々20万円位までとしました。探す個体は基本中古品です。
前提としてスマホを再生母艦にする気は無く、サブスクも利用しない(ローカル音源の再生のみ)という条件です。
求める性能としては、イヤホン類を試聴するためにある程度のヘッドホンアウトの品質が欲しい、イベント等で音源持ち込みの母艦とするためにラインアウト・デジタルアウトの品質がそれなりに欲しいといった所。
上記を踏まえた結果、最初の候補としてはShanling H7、Cayin N8(ノーマル)、A&KのCA1000あるいはCA1000Tが有力候補でした。
もっとも、この中ではCA1000Tだけかなり高く当時は22~3万円位が中古相場で、一応候補には入れてあるけど限りなく購入可能性は低い。CA1000は当時でアウトレット品が13~4万円程度、中古が10万円を少し超えるくらいでこちらは現実的という感じでしょうか。
H7は中古で概ね7万円台後半から8万円前後、N8は状態を問わなければ大体10万円を少し超えるくらいだけど、状態が良く附属品完備となるともう少し高くなる状況。
なお、今回購入したN8 Brass Blackは、ノーマルとは筐体素材とカラーが違う(こっちの方が好みではあった)だけの様ですが、当時は価格が安くても大体17万円前後から下手をすると20万円近辺になる事から除外してました。状態が悪く付属品なしでも14~15万円程度はしてましたし。
その後、中古市場をチェックしながら同時並行でポータブル機関連の情報収集を継続します。
その中で、無線でコントロールするしかないH7を唯一のポタ機として持つのはちょっと怖いと思い直し、まずはスタンドアローンで操作できる物を買おうと候補から外します。ポータブルDACアンプという機種の特性として仕方ない面はありますが、デジタルアウトが無いという点も気になりましたしね。
情報収集の結果iBassoの220MAXと300MAX(320MAXは予算範囲外)、HiByのRS6やR8(AL、SSの両方)、Shanling M8やM9 AKM Edition等をウォッチリストに追加。
この辺りで7月末のTIASの時期に東京に行くことを決めたので、購入時期を7月初週あたりに定めます。
それから少し経つ頃に、ポータブル関連機器は数か月でも結構大きな値動きをすることに気付きます。
また、ヤフオクやヤフーフリマ、メルカリ等の個人取引で、中古相場よりも安い機種を見かける機会が多く感じたので(少なくとも据置機よりは)、そちらも重点的に探すようになったのもこの頃。
中古相場の値動きについては、私が候補にしていた物だけでも、CA1000Tが最終的に4~5万円程度、H7も2万円程度、DX220MAXが3万円程度、DX300MAXが4万円程度下がってました。
他にもCayin N8ii、Shanling M9 Plus、HiBy RS8等のハイエンドの現行機種群も3~5万円ほど下がってる機種が多かったですし、ミドルクラスに至るまでかなり値動きは大きいのかなという印象でした。
観察する限りは、ある程度の価格までは結構なスピードで下がっていき、底値に到達すると長期間価格を維持する印象でしょうか。
価格自体が元々そこまで高くないエントリーかそのやや上の機種まではあんまり大きく動かない感じでしたが、観察した期間はそこまで長くないので、もしかしたらそちらもそこそこに動くのかもしれません。
この辺りは、新製品(特に後継機)の発売ペースが速いので、ある意味当然なのかもしれませんが。
こういった動向があった為に、購入したい候補群はそこまで入れ替わりませんでしたが、第一候補は結構入れ替わってました。
その中で、Cayin N8については初期不良に関する書き込み、修理期間の長さ、UIの作り込み不足などを指摘する声も見られ、少し品質に難ありなのかな?と一旦は候補から外してました。
これを候補に入れていた大きな理由はデジタルアウトの質が優秀であるという評価が多い上に種類が豊富、バランスのラインアウトが可能、ヘッドホンアウトの音質もやや忠実系からは離れるにしろ優秀な部類に入る評価が多い、しかしながら中古相場は中々こなれていて手が届きやすいという所です。
ですが、全体的な中古相場の値動きによって他の良さそうな機種の価格が下がって来たので、以前ほど優位性は無くなっていたのです。加えて、N8は程度の良い個体や附属品が揃っている個体があまり出てこず、そもそも玉数も多くはなかったのも外した理由の一つです。
最終的にはiBasso DX300MAXかA&K CA1000Tのどちらかを買うかとほぼ決まりかけていました。その時点で、DX300MAXが15万円を少し超えるくらい、CA1000Tが18万5千~19万円といった所。
因みに、CA1000の方は殆ど値動きが無く、どうやら中古相場では元から底値だったようで10万円を少し超えるくらいをキープ、フジヤのアウトレット品だけ徐々に価格を下げて12万円程度になっていましたが、これだけ価格差が縮まったらもう少し頑張って上記二機種が良いかなと。
そして、それらを全て覆したのが私の購入したCayin N8 Brass Black。これは、先にも書いた通り主に価格的な理由から候補になっていなかったもの。しかしこの個体については、市場登場時で確か13万円を少し超える位で、その後短期間で値下がりし、最終購入価格はクーポン利用も含めて12万円を切りました。
状態や付属品に関しても、使用による傷等があるとなってましたが、写真を確認する限りポータブルの機種としてはかなり奇麗な部類、附属品完備で2023年にディスプレイとバッテリーは修理交換済みとかなり良さそうな感じ。
この価格でこの状態の物が買えるなら、先に書いた懸念を覆すだけの魅力があると感じ、最終的に購入を決定したのでした。しかも、その価格は予算範囲の下の方に近いというのもポイントが高かったです。
とまあ、こういった経緯があってCayin N8 Brass Blackに落ち着きました。
ですが価格的な面を重視したとは言っても、先に書いた求める性能に関してはそれなりに高水準でクリアしていそうですし、検証や遊び目的にも色々とやれることは多いので、最終的な満足度はかなり高いです。
初期不良やビルドクォリティ絡みに関しては、それなりに使い込まれた中古だと思いますし修理歴もあるのでクリアしている……と思いたい。ただ、丁寧に扱うようには気を付けます。
ともあれ、これから使いながら色々と検証していきたいと思います。
なお、私がウォッチしていた中で、明らかに中古相場から外れた価格の掘り出し物もそこそこ見かけたので、記憶している物を最後に紹介します(今は勿論買えませんが)。
・Shanling M9 Plus 22万円程度。
これは確かメルカリに登場しました。かなり破格で、当時の相場は概ね30万円前後といった所、正直ちょっとグラっと来ました。
DACの仕様的に、これを買うと後々H7を買う必要が無くなりそうなのもプラス要因。
ですが、想定していた予算上限をオーバーする事、購入時期を7月に入ってからと決めていたこと(登場は確か6月中旬辺り)等から、何とか誘惑を振り切りスルーしました。
恐らく予算無制限もしくはもう少し上に設定していたなら、即時購入していたでしょう。
・Fiio M17 10万円程度
これはヤフオクに出ていた物。本体のみで附属品は一切なし、状態もそれなりに使用感がある動作品現状渡しという物でしたが、それを考慮しても破格だと感じました。
ですが、情報を集める限りFiioの音作りが好みに合わない可能性が高い事、THXのヘッドホンアンプがあんまり信頼出来るように見えない事、実使用した方の使い勝手のレビュー等を見てスルー。
・Chord Hugo2 99000円
これもヤフオクですが、オークション形式だったのでこの価格で実際に買えたかは不明。ですが、買い手がつかず数度流れていたので、この近辺で買えた可能性は高いでしょう。
値上がりしたこともあり、一般的な相場としては中古ショップで20万円~25万円位、ヤフオク等の個人取引でも15万円前後が下限という感じ。
こっちもなかなかエグイと感じた値段ですが、Hugo2自体が登場してそれなりに時間が経過している機種である事、そもそも再生母艦が無いのに単独でファイル再生できないポータブルDACアンプを先に買ってどうする、という事で購入見送り。
主に記憶しているのはこんな所でしょうか。
なお、私が購入したN8 Brass Blackもこの中に入れてかもしれませんが、どちらかと言うと一般的な相場と掘り出し物との境界という感じで、上記の3機種よりお買い得感は少し低い気がします。
このような感じで、定期的に情報収集をしていれば、ポタに関して掘り出し物を見つけるのは割と現実的なんじゃないかというのが、探していた際の実感です。
参考になれば幸いです。