一つ前の記事でA90の測定結果を載せたのですが、私のWaveGeneの設定ミスにより誤った測定結果となっていました。誤った情報を公開してしまったことをお詫びいたします。
以前の記事は誤った内容であることを明記したうえで残し、自分への戒めとします。また、メーカーや販売店等からの要請があった場合は、速やかに削除いたします。
因みにWaveGeneの設定で変更したのは出力を0dbではなく-3dbにしたこと、出力デバイスをWave Mapperではなくオーディオインターフェイスを指定したことです。どちらが主要因かは分からないのですが、この二つを設定したところ奇麗な波形となりました。
・無負荷測定
・47Ω負荷
・100Ω負荷
47Ω負荷時出力(W)=14.95×14.95/47≒4.75W
100Ω負荷時出力(W)=16.03×16.03/100≒2.57W
以上です。計測値はいずれも明らかに波形が歪む直前ギリギリの値です。これらの内容はほぼ公式スペックと相違ないと言ってよさそうなので、完全に最初の私の測定が間違っていたことになります(汗)。
大変申し訳ありません、本当にお恥ずかしい限りです。
また、ついでにWaveSpectraも使いTHDを簡単に測ってみましたが1KHzのサイン波の時約0.0002%で、これは私が使用しているオーディオインターフェースのADCのTHD+Nのスペックが0.00028%ですから、明らかに測定限界です。つまり、こちらの計測でも問題なしとなります。
ですが、この事はA90にとってはむしろ救いが無い結果だなあと思います。というのも、別に個体差ではなく素の音が普通に悪いという事になるからです。
ちなみに、海外の某サイトでSINADを計測しそれのみが科学的な評価基準と主張するようなサイトがありますが、私はこの姿勢に全く反対です。確かにSINADは基準の一つにはなりますが、それだけが音質の全てを表すものではないと考えているからです。
例えば、インパルス応答の測定とその応用について - 日本音響エンジニアリングというページの中段辺りにある、4. 室内音響分野への応用についてという項目は非常に参考になります。
これらの内容は主にホールに関するものが多いですが、その考え方は一般のスピーカーによるオーディオ再生、そしてヘッドホンでの再生においても応用できる考え方だと思います。この辺りについては、その内記事を書いてみたいと思います。
という訳で、A90に関する記事はこれが最後となります。A90、THX789を採用したアンプなどの低価格高性能を特徴としたアンプに興味を持ったことから購入したわけですが、今後同様の機種を買う事も人に勧めることもないでしょう。
このような特徴を持った機種がブームになっていることから、しばらくは似たような機種が継続して発売されると思いますが、少なくとも現時点では過大な期待はしない方が良いだろうというのが正直な感想です。