プリアンプ選定記第二弾 CORUS / PSU編 後編

前編はこちら。

 情報収集の結果パッシブプリの候補に関しては前編に書いた通りです。選択肢そのものが少ないので、ぶっちゃけすぐに候補は絞られました。
 PhasemationoやBespoke以外にも、海外ならTownshendとかMusic Firstとかありますが、国内で取り扱いが無いので購入にハードルがある割には敢えて選ぶ程の特徴がある訳では無いかなと。
 国内ならイシノラボも悪くは無いと思うのですが、CM-2200やBespoke Audioと比べる簡易的な仕様で、多分結局は上を目指したくなるだろうと。
 まあ、これは物凄く大きな価格差があるので、そもそも別クラスの製品であり比べるのは極めてアンフェアですが。

 という訳で、ここからはアクティブプリで色々と探した際に候補となったものとその簡単な理由、そして結局は選ばなかった理由なども合わせて記載します。
 なお、プリアンプに関してはDAC程忠実、無色透明に拘っていないのは以前にも書いた通り。
 一応メーカーは大抵の場合そう主張しますが、実際の所は(少なくとも調べる限りは)そうはなっていないようなので。

Accuphase C-3800
 アキュの中では予算的には中古でもここが上限。C-3900やC-3850は予算的に厳しかった。厳密に言うとC-3850はギリ予算内に収まりそうだが、そこまでして敢えて行く理由が無かった。
 音の傾向的には忠実系に見えるが、その割には確固としたアキュの音みたいなものがあるようで、意外と無色透明では無さそうな予感がしたのも二の足を踏んだ理由の一つ。
 加えてこれは個人的な理由になるが、余りにもデザインが好みでは無い。音さえ良ければと言うにも限度はあるのである。

・Mark Levinson No.32L
 言わずと知れた名機、予算的にも範囲内で、かつ音的にも多分求める方向性に合致している。
 しかし、発売から経過した時間が長く、中古で手に入れて下手をすればすぐにメンテナンスが必要になりそう。それを考えれば、額面+数割位は多めに見積もらないといけない。
 そして、それだと割と予算オーバーと言って良い金額になりそうだったし、そこまでして選びたいという程には魅力的ではなかった。
 年代の新しいNo.52は中古でも完全に予算オーバー、No.526はギリ予算内に収まる可能性は有ったが、DAC機能が余分で音に関して懸念点となった。

・Aurorasound Preda-iii
 定価ベースで考えれば検討している物の中では格段に安い(おおよそ新品で100万円程度)が、中身的には相当なコストがかけられていると思う。POTにRK501の4連を使っているなど、出てくる音は非常に期待が持てる。
 が、余りにもウェブ上に情報が無い。と言うか、Monster Audioのコメント欄位でしか見た事が無い(メーカー情報やメディア、ショップ等の情報は除く)。
 恐らく長い時間かけて他に購入する候補が出てこなければ、新品で購入していたと思われる。中古は多分期待できない。

・Constelation Audio Preamp 1.0
 コンステなら唯一購入対象になりそうなレンジで、かつそこそこ中古の玉もあるという事で一応の候補に。
 但し、音的には若干望む方向からずれる可能性は有ったのと、ハイエンドオーディオメーカーボトムラインって勝手に微妙なイメージを持っていたので、積極的に行きたいという訳でも無かった。
 あと、ボリューム周りがどうも不安定な様で、中古購入がためらわれたのも要因。Preamp 1.0はその辺りが改善された仕組みらしいが、Virgo2等に使われている光依存性抵抗のボリューム採用機は要注意らしい。

 

・テクニカルブレーン TBC-Zero Ver2.0
 多分、調べていた中では最も忠実寄りなんじゃないかな、と予想したプリアンプ。EX以降は多分予算オーバーになる。
 問題は圧倒的に中古の出物が少ない事(新品は無理)。現状ではアフロなお店に上記機種があるが、それ以外は見た事が無い。
 加えて、どちらかと言えばパワーアンプの方の評価高い会社であったことも、積極的に購入に動かなかった理由ではある。

・Jeff Rowland CORUS
 予算的にはCORUSノーマルが対象で、かつ最も購入可能性が高かった機種。
 基本的には音の傾向が好みそうだったこと、それなりにウェブ上での評価が高く、また豊富であった事も大きい。中古の玉数も基本的に豊富だし。
 Criterionは、状態を問わなければ予算範囲内の物もあったが、やはりバッテリー問題が付きまとうのが最大のネック。
 また、私は基本的にプリアンプの電源は入れっぱなしでの運用であり、かつ結構長時間使う事も多い。その場合Criterionは殆どACモードになる事が見込まれ、それならば別にCORUSでいいじゃんという(アンプ回路は同一らしいし)。バッテリーにも良くなさそうだし。
 まあ、CORUS/PSUならばその辺りが全て解決するが予算的に無理と候補からは外していた所、良い出会いがあって購入できたのは予想外の喜びである。
 なお、デザインに関して非常に好みである、というのもそんなには無視できない要素だったかもしれない。
 音に関して懸念点が無かったかと言えば実はそうでもない。最大の懸念点は、情報を削ってSNを稼いでる系では?というもの。
 特に、背後の静寂を強調したり漆黒だと表現されていたりという点は、発信者は誉め言葉として使っていたのだろうが、私としてはむしろ怖いと感じる要素。
 とは言え、仮に予想通りだったとしてもChord Indigoと比べて減る事は流石に無いだろうし、一般的な評価の高さからあくまでその領域の中で比較すれば、という程度に収まるだろうという予想の元最有力候補となった。
 因みに、音のファーストインプレは後日個別に書くが、今の所懸念は杞憂に過ぎなかったと言えそうではある。

・その他諸々
 Boulder 1110、Ayre KX-R Twenty、Soulution 525等は一応の候補にはなった。
 が、明らかに予算オーバーだったり、海外で探さないと無理だったりで割と早期に諦めた。現状凄い円安で、しばらくは円高に振れることも見込めない事だし。
 エソテリックは……使ったことが無いので食わず嫌いと言われても仕方ないが、基本惹かれた試しが無い。
 あと、Grandiosoになった後と前で結構差があるっぽくて、かつ後の製品は中古でも結構予算オーバーになりそうなのも大きかった。
 加えて、アキュ程では無いにせよデザインが苦手。そんなに悪くは無い筈なのだが、妙に駄目なのです。

 こんな感じでしょうか。結構色々と有りますね。と言うのも、本格的に購入に動く前で、絞り込む前だったというのは大きいかもしれません。
 CORUS / PSUに関しては無事設置、接続、音出しが完了して、各種機能も問題なく動作することを確認しました。
 音のファーストインプレに関しては、先にも記載した通りまた改めて個別に記事を書きます。