日記 THRORの再評価とケーブルの編み込みについて

 最近Kennerton THRORの再評価をしたいと思い、自作ケーブルをリメイクしました。
主に行ったのは下の二つ。

 

1.XLR3ピン×2(DH Labs)をXLR4ピン×1(AECO)に変更(MSB PremierHPAのバランス出力が4ピンXLRなので)
2.ケーブルは12芯空気絶縁構造の物を使っていたが、一部編み込んでいた部分(ヘッドホンへの分岐以降とアンプ側端子への分岐以降部分)を全部解く

 

 1については、単純にプラグが変更になった事の変化と、接続方法の変化に付随して変換ケーブルを介さずに済むようになったメリットがあります。
 これはFocal Utopiaでもやった処理なので、ある程度その差分は想定できていました。そこまで大きい変化ではありませんが、より癖が無くなり自然な感じになる方向性です。

 

 予想できなかったのは2の処理についてですが、こちらが今回の記事の主題です。
 何故ならば、起こった変化が良い方向で想像以上に大きく、ケーブルの編み込みって思っているよりも音質を悪化させてるのでは?と感じたからです。
 起こった変化としては、定位の安定(恐らく位相の乱れの解消?)、付帯音の減少、高域の伸び及び情報量の改善が主な所で、その効果に付随して音の分離の向上、全体的な情報量の増加が感じられました。因みに上記は、書いている順に変化が大きかったです。
 特に定位の安定が一番大きく、一部音源(と言うか一部帯域?)で妙に定位がずれるものがあったのですが、これが全くずれなくなって驚きました。
 付随の効果と書いた点については、定位が安定し付帯音が減ったことにより分離が向上したように、付帯音が減ったことによりマスクされていた部分が見えるようになり、高域の情報量が増えた事と相まって全体的な情報量が増えたように感じられるようになったのかなと捉えています。
 これは、私が使っているケーブルが空気絶縁の構造をしており、編み込みにはより向いていない構造だったこともあるかもしれません。
 ですがそれを差し引いても、ケーブルを編み込むことは音質的には結構犠牲にする物が大きいのではと感じました。

 

 今回の変更については、グルマン氏のMonster Audioの記事の中で、「多芯のケーブルは束ねたら負け(要約)」と書いてあったので試したくなったのが始まりです。
 そして、その効果は確かに頷けるもので、少なくとも編み込みを解いた後の音の方がかなり自然で説得力のある音です。
 勿論ポータブル用途のケーブルでは編んでない多芯のケーブルなど危なすぎて使えないでしょうが、据置用途においては可能な限り避けるべきなのではと思った次第。
 まあ、見た目は最悪ですけどね、でも音は良いです。
 今回ケーブル変更における変化があまりに大きかったので、THRORの再評価については次回の記事で。