ケーブルを探している際に感じた事

私は現在個人的に優先度の高い、各種ケーブルを更新するために情報を集めを継続して行っているのですが、その際に感じた事などを書いてみたいと思います。 基本的にケーブルの性能は何で決まるか?というのは、使っている素材全部が影響するわけですが、大まかに言って以下の3点が重要なようです。

 

1.ケーブルの導線材→導体の抵抗率を下げる(4N以上の銀が最善、次善が高純度銅) 2.コネクタの素材→ピンの抵抗率を下げることと、ハウジングの振動抑制 3.誘電体(絶縁体)の特性→誘電体損失の低減と振動抑制

 

この三つは全て音への影響が大きいようで、各メーカーがしのぎを削って研究しているようです。そして、このことを知ってから、国内メーカーでリファレンスのケーブル(完成品)探しをすることは諦めました。 国内メーカーと全て一緒くたにするのも問題があるとは思うのですが、私が探した限り多くのメーカーが導線の材質一点突破ばかりだったからです(しかも銅に偏っていますし)。中には30万円を超えるようなケーブルでもコネクタのピンに平気でリン青銅を使ってたりするので、ちょっと探す労力に結果が見合わないです。 更には、IACSが105位で超電導の領域に入ったとかいうメーカー(しかも結構大手)もある始末で、探す気力も失せるというものです。因みに4N銀でIACSは108ですから、超電導どころか既存の素材すら超えていないというね(まあ素材が銅なので当然ですが)。 きちんと探せば上記三点にこだわっているケーブルもあるのでしょうが、ぶっちゃけノイズが多すぎて探す気になれません。商品によってはコネクタの素材を明記していない場合もあったりして、いちいち調べるのに時間がかかるのも理由の一つです。高品質プラグ採用とだけ言われても、買わない理由にしかなりませんし。

 

因みに海外メーカーでケーブルを探すと、1000ドルを超えるようなケーブルなら、大抵の場合上記三点はしっかりと抑えている事が多いです。少なくとも、探していて徒労感を感じることはありませんでした。 誘電体は自社開発までしているメーカーは少ない印象ですが、それでも定評のある素材を使ったりして様々なこだわりを見せますし、ケーブルの線材では純銀線を使うメーカーも出始めます。コネクタも純銅以上を使うところが多く、悪くてもベリリウム銅やテルル銅辺りは使っています。 更にハイエンドの領域に入ると、上記三点に加えてケーブルの構造の差も出てくるのですが、それらのケーブルはお値段もとんでもないので流石に手を出せません。

 

そんなわけで、リファレンスとするケーブルは国外メーカー品になることは決まっています。 現状だとインターコネクトはほぼDH LabsのRevelatorで決まりで、電源ケーブルはまだ迷っています。一応候補としてはTelos AudioのGold Referenceというケーブルが有力なのですが、まだ決定したわけではありません。 本当は両方ともArgento Audioで揃えられれば最高なのですが、流石に新品の価格は無理ですし、かといって中古で探すにも偽物問題があるためにかなり躊躇してしまいます。

 

とまあこんな感じで、現状では国内メーカーでケーブル探しする事は全くお勧めできない状況です。 確かに科学で全てを説明できないのがオーディオではありますが、かといって科学で分かっていることを無視していい事にはならないと思うのです。