自作ケーブル部材選定1 電源ケーブル・XLRケーブル

DA-N5を購入したことにより、現在使用しているケーブルの力不足感が否めなくなってきたので、本腰を入れてケーブル類を新調することにしました。基本的には自作して賄う予定で、今回は各種ケーブルやプラグの選定基準と結果について書いていきたいと思います。 コンセプトとしてはなるべく色付けの少ないケーブルを作る事です。非常に困難ですが、出来る範囲でトライしたいと思います。 その為の最初のコンセプトとして、信号を伝えるプラグやケーブルの導体が純銅か純銀である事、プラグのメッキには金メッキか銀メッキが使用されていることを条件としました。電気伝導率が高い素材、可能であれば単一の素材であればある程色付けが少ないのではないか?という仮定です。 勿論銅や銀でも色付けしないという事は無いとは思いますが、さりとてこれ以上の素材など無いので最も電気伝導率が高い銀が最善、時点で銅という事になるでしょう。

プラグについてはエントリークラスからミドルクラスの入り口までは銅合金(BrassやBronze、Copper Alloy)が多いので、必然的にミドルクラス以上のプラグになります。また、導体を明記していないプラグも全てNGとしました。

メッキについては、ハイエンド帯ではロジウムメッキが非常に多く、またプラチナメッキやパラジウムメッキ等もありますが、こちらも電気伝導率では銀や銅、金にかなり劣るために色付けが強くなるのではないかという事で今回は排除しています。

ケーブルについては電源ケーブルのみ太さを優先、他は高純度銅もしくは純銀線を選ぶことになります。ですが、素材だけでなくケーブルの構造も音に関わってくるために、単純に素材だけで選ばないように注意しました。

 

なお、自作ケーブルで賄うといってもリファレンスは必要なので、XLRラインケーブルと電源ケーブルについてはそれぞれ一つづつ購入しようと思ってます。理想を言えばArgento AudioのFlow以上のグレードが欲しいですが、値段が……ラインケーブルについては既にディスコンのようですが、Saidera辺りも考慮したいところです。 ただ、どちらも入手まで時間がかかると思うので、まずは自作を先にスタートし、後々入手したら比較して改善策を見出したいと思います。今回記すのはあくまで選定したというだけであり、購入・製作するのはこれから少しづつ進めていくことになると思います。長くなりましたので2回に分けます。

 

電源ケーブル】 ケーブル:株式会社フジクラ CVV-S 3.5SQ or 5.5SQ プラグ:Neotech NC-P313 NC-P303

ケーブルについては周波数が50Hz~60Hz程度ですから、素材の純度よりも太さの方が効きそうだという事で選択しました。フジクラのケーブルについてはオーディオ用途ではありませんが、自作界隈では有名でしょう。

こちらは違和感が出るようならオーディオ系のケーブルも検討する予定です。Zonotoneかオヤイデ辺りが有力でしょうか。ただTunamiやBlack Mamba、あるいはZonotoneの3.5SQとかだと値段が10倍くらい違うので、そこを検討するならばプラグも含めてハイエンドに行きたいところです。 プラグについてはNeotechが一番コストパフォーマンスが良さそうだと考えて選択しました。導体にUP-OCC(5N銅)を使用しており、メッキは金メッキです。次点がFURUTECHのFI-11-N1(G)でした。 定番はFURUTECHなのでしょうが、こちらは導体の純度が分からないので今回は選択しませんでした。なお、FI-11-N1銀メッキ品は導体がりん青銅で純銅ではない点は注意が必要です。 FURUTECHの上位品はコストが違いすぎる為、先にも述べた通りケーブルを考え直すならば検討したいと思います。もし上位を検討する場合、候補はFURUTECHのFI-48銀メッキ品、もしくはFI-46金メッキ品です。FI-50やオヤイデ上位のプラグはロジウム、パラジウム、プラチナメッキ等なので使用する予定はありません。 導体がベリリウム銅の物もありますが、高伝導品であっても純銅と比較すると精々5割程度(ベリリウム銅の種類による)に電気伝導率が落ちるようなので選択肢からは外しました。因みにりん青銅はベリリウム銅の更に半分(純銅の1/4程度)になります。

 

【XLRラインケーブル】 プラグ:DH Labs Silver Sonic Ulitimate XLR ケーブル:オヤイデ電気 DST-75 V2

一番難航したのがXLRプラグでした。現在ハイエンド帯のXLRプラグのメッキはロジウムメッキやプラチナメッキばかりだからです。かと言って金メッキ品を探すと今度は導体に純銅が使われている品が殆どなく、あったとしても本当に使われているかが怪しい品ばかりで、かなり時間がかかりました。 DH Labsは私が探した中では唯一プラグの材料が純銅かつ金メッキを採用しているプラグで信頼できるメーカー品であり、選択肢はほぼこれしかありませんでした。次点は大きく離れてNeutrikのEMC対策品ですが、導体がBrassなので可能な限り避けたいところです。 ケーブルは導体に102SSC単線を使ったコルデル構造(空気絶縁)のケーブルです。Innocent Keyのケーブル製作記事を参考に空気絶縁のケーブルを探した結果これを選択しました。 ケーブルの次点はMolex(Temp-Flex)10054です。こちらも空気絶縁の銀メッキケーブルです。ケーブル単価はほぼ同じなのですが、高純度銅を使用し銀メッキされていないことからオヤイデの方がより色付けが少なくなるのではないかと予想しています。ですが、こちらは10054バージョンも作る可能性が高いです。