私のメインシステムにおいて、ヘッドホンで最後に購入したのはFocal Utopiaであり、これが2021年の年初なので実に4年以上前となります。
その時点で自身のヘッドホンのラインナップはある程度完成したので、その後はヘッドホン以外の部分を整備する事に軸足を移しました。因みにそのラインナップは、Focal Utopia初代、kennerton THROR、Hifiman HE-1000se、そして静電型でDCA VOCEです。
それからヘッドホンアンプでMSB PremierHPAの導入、ケーブル関連の更新、アクティブプリアンプの導入と更新、DANTE環境の導入、そして最近で言えば送り出しであるAudio PCの新調と色々と整備してきました。
その中で、そこそこ前にHifiman HE1000seについては出音が頭打ちとなり、環境を更新してもあまり変化が見られなくなりました。
これについてはUtopiaとTHRORとの差別化も難しくなっており、そもそもの基礎性能でも差が付き始め、更に広がっていったために最近手放しています。
その為に主にメインで使うのはUtopiaとTHRORになっていました。厳密に言うとVOCEもあるのですが、こっちはそもそもアンプもAudioValve Solarisを使わないといけない(静電型の)ために、一応メインですが別系統という認識です。
ですが、最近のAudio PCの新調に伴い、ついにTHRORについても頭打ち感が出てきてしまいました。
Audio PCの導入後はずっとUtopiaを使って確認していたのですが、改めてTHRORで聴いてみたら「前の環境がこういう音だったなあ」という感想を真っ先に抱いたのですよね。
一番大きいのは微細領域の情報への追随性で、これが殆ど改善されなくなりました。
また、低域の表現についても、Utopiaと比べれば忠実性では劣る面はあるものの、質感や量感も含めトータルで見れば、それでもUtopiaよりも魅力的な部分が大きいとこれまでは判断していました。
しかしながら、最新の環境ではUtopiaの方の質感がかなり改善されたためか、逆にTHRORの方に違和感を感じるようになりました。ちょっとやり過ぎに感じる事が増えたのと、意外と一辺倒な低域になってしまう、自在性があまり無いよね、と。
ケーブルについてもある程度は詰めてきたので、この部分で今の状況を打破するのは正直言って厳しいでしょう。
かと言って他に手段が有るかと言われればほぼ無いので、THRORに関しては恐らくこの辺りが限界に近いのだろうと判断しています。
THRORの発売日は調べてもはっきりとしないのですが、恐らく2018年の中頃あたりと思われるので(私が購入したのは2019年5月あたり)、そう考えればかなり頑張ってくれたと思っています。
結局日本では代理店が取り扱う事は無かったですし、入手性や昨今の円安状況も考えて、これは大事に所有し続けると思います。未だに音が好きなヘッドホンですし、音質的にも割と差別化できるタイプですしね。
ただ、メイン環境は一応まだ改善してく途上にあるので、その中で役割はもう担えないだろうという事です。
個人的に、ダイナミック型、平面駆動型、静電型のそれぞれを追っていきたいと考えているので、平面駆動型で新たな機種をメインシステムに導入したいと考えています。
タイミングよく期待できそうな機種、個別記事にもしたCamerton Binom-ERが日本でも発売される事が決定したので、今の所これが最有力候補です。
とは言え、価格がかなり高価なために簡単には動けませんし、ある程度自分でも確認してからと考えてはいるので、もう少し先になるとは思いますが。