そろそろ2024年も終わりという事で、この記事が最後になるかどうかは未定ですが、取り敢えずこの1年を振り返ってみようかと。
2023年は大きな動きが殆どなく、多少の動きと言ってもその殆どが自分の内的な部分(認知の改善や気付き等)だったのですが、2024は打って変わって色んな意味で大きく動いた年になりました。
1.メイン環境の大幅な変更
まずは機材的に、メイン環境が大きく入れ替わりました。
アクティブプリがこれまでCHORD Indigoを使用していたのですが、これをJeff Rowland CORUS / PSUに変更しました。
本来アクティブプリはメイン機材ではかなり優先度が低い、と言いますかぶっちゃけ一番下と言っても過言では無かったのですが、あまりにお買い得品が出ていたので、これを買わずに何を買うと飛びつきました。
CORUSは正直言って最終目標であったと言っても過言では無く、しかもそれはPSUではなくノーマルを想定していたので、目標としていた以上の物を、想定していた価格とほぼ同じ価格で手に入れられるという幸運に預かりました。詳しくは購入記参照。
実際のところ運用してどうかと言えば、本当に買って良かったと心から思える実力を持っていました。
そもそもの基礎性能に段違いで差があって、これにより自分の認知が一気に進展したと言っても過言では無いです。
ここから先に行くかどうかも未定ですし、仮に行くとしても私の求めるものと合致しそうな製品を探すと、多分Boulderの2000番台とかになりそうなので、アクティブプリは壊れない限り当分そのままでしょう。
次に、Focusrite D16R Mk2の導入に伴うDANTE(Audio over Internet Protcol以下AoIPの規格の一つ)環境の構築です。
AoIPはいずれ導入したいと考えており、その中でもDANTEが最有力でした。
ですので、これはまあタイミングの問題ではあったのですが、Media Integrationのアウトレットセールでかなり割引になっていたので、思い切って導入しました。
導入して日が浅いのでまだまだ見えてない部分は多いと思いますが、取り合えず利便性と言う意味では非常に素晴らしいです。
特に複数台のPCでも、全く問題なく同じネットワークの中で共有して運用できるのが良き。
まあ業務用がメインに見据えられており、癖のある仕様なども存在するのですが、それが気にならない位に良いと感じています。
オーディオとしての音質は完全に未知だったのですが、導入してすぐの段階でUSB接続のEclipse384比で明確に基礎性能が上だったので、これは想定を大きく上回ったと感じています。
現在はまだDante Virtual Sound Cardで出力しているので、専用のカードの導入も視野に、今後さらに詰めていきたいと感じています。
また、AoIP兼ミュージックプレイヤーの検証としてRoonとの比較が、2025の大きな目標となるでしょう。AoIPとしては他にDirettaもありますが、そっちは対応機器を持っておらず、また今後も導入予定は無いので、現状ではスルーの見込みです。
最後に、オーディオ専用PC(以下Audio PC)を組んだ事です。詳しくは過去に記事に書いてます。
主にMonster AudioやThinking Audio、Innocent Key等で紹介されていた方法論を参考に、自分なりの落としどころを見つけて組んでいます。
こちらは取り敢えず完成したという段階であり、今後も少しづつ手を入れて行きます。取り敢えず1月にはHDPLEXの電源とNoctua NH-P1を購入予定。
NH-P1はどれだけ調べてもBD790iに付けられるかどうかは不明だったので完全にギャンブルですが、どうせ今後新調するであろうMain PC(もしくはAudio PC第2段)に流用できるのでそこまで問題ではないかなと。手段を選ばなければ、多分何とかなると思いますし。
ソフト面では、今の所まだプロセスカットまでは手を付けておらず、その前段で不要なアプリケーションのアンインストールやTuneBrowserの設定詰めを行って確認している段階です。
プロセスカットについては2025年の最初に手を付ける課題になりそうです。他にも、先に述べた通りCPUクーラー、電源、Roonの検証、後はqobuzの検証なども順次やっていきたいと考えています。
2.ポータブル環境の構築
そもそも沖縄で生活をしているとポータブル環境を使用する事が殆どありません。何せ自家用車での移動が大半になりますからね。
ですが、旅行やイベントに参加する際の送り出し母艦として、それなりのクオリティの物を持っておきたいとは以前から思っていたのですが、ようやく今年重い腰を挙げ導入する事になりました。
イヤホンはfinal SHICHIKU.KANGEN -糸竹管弦-、DAPがCayin N8 Brass Black、ポタアンとしてCayin C9、ポータブルプリ運用目的としてCurrent CSP943-1、イヤホンのケーブルにNideon NMC-100とCampfire Audio Time Stream Cableを導入しています。
経緯としてはそれなりに紆余曲折があり、実はポタアンまで導入する予定は有りませんでしたし、それが無ければ付随してポータブルプリ用の機種を探すことも無かったでしょう。
ですがまあ結果として導入する事になったので、それならばもう少し詰めるか、という事で上記の様な構成になっています。
イベント時の送り出し母艦としてもまあN8 Brass Blackでほぼ問題ないと思ってますのでこのままでも全く問題ないのですが、せっかくここまで来たならという事でもう少し色々と詰める予定。
現状で恐らく一番のボトルネックはDAC部(送り出し部)なのでここを詰めるのと、後はまだ日本ではまだ発売されてませんが、ケーブルでTime Stream:Duetを導入したいと考えています。
もっとも、送り出しについては試聴した結果現行の機種では最上位帯のDAPでも割と厳しそうだったので、当面は様子見。但し、Onix Mystic XP1はMUSINのレンタルサービスを利用して確認する予定です。これも2025年の早い内、多分1月~2月位には試すのではないでしょうか。
Time Stream:Duetは、現在日本でも発売済みのTime Stream Cableの出来が非常に良かったので、その上位版ケーブルとして非常に期待をしています。
因みに、銀導体を採用したTime Stream:Silverや更なる上位品としてTime Stream:Ultraもあるのですが、そっちは全く惹かれておりません。
SiverはDuetの導体が銀バージョンなのですが、Time Stream Cableの構造や音を考えた時にむしろ癖のあるケーブルになりそうと考えるのと、Ultraに関してはそもそも構造が編組になっているのがその理由。
いずれにせよ、こちらもメイン環境よりは明確に優先順位は落ちるのですが、それでもコツコツと改善していきたいと考えています。
3.ケーブルに関する気付き
こちらも折に触れ情報発信して来たのですが、大きな気付きは二つ。ケーブルにやたらと色々と被せると音が死ぬ、ケーブルを編んでも同様という点です。
これらの弊害はいくつかあるのですが、中でも微細領域の情報量の削れ方が半場では無く、この二つが該当するケーブルは他がどんなに良くてもかなり厳しい音になると現状では認識しており、これはもう確信に近いです。
特にケーブルに対する絶縁体の二重被覆はかなりエグイので、どれだけ利便性やケーブルの保護という観点があっても、避けるが吉だと考えています。
個人的には、ケーブルを編んでその上から更に被覆している構造とか最悪に近いと考えています(二重被覆と編組のダブルパンチ)。場合によっては微細領域どころか、音の芯の情報すら削ぎにかかるレベルになりますし。
あと被せる範囲にもよりますが、熱収縮チューブも可能な限り避ける、使うにしても絶縁が必要な個所に最低限使い、被覆に重なる量は可能な限り小さくする、という事を心がけています。
とは言え、複数のケーブルを編みも束ねもせずに使うというのは、音質という点では良くても利便性が非常に悪く、特にポータブルでは極めて問題が大きく使えたものでは無いので、別の方法での解決策を模索中です。
そんな中見つけたTime Stream Cableは上記問題に対する構造的な解決が為されており、だからこそ見た瞬間良さそうだと感じましたし、実際にその出音も非常に優れていました。
販売されている価格を考えれば一つの事件ではと思うレベルなのですが、以外に注目されていないように感じます。ですが、価格から先入観を持たずに、一度試してみてほしいと感じるケーブルです。
また、複数のケーブルをフラット形状に保持するというのは個人では中々制作が難しく、出来たとしてもかなり手間がかかるので、こういう構造のケーブルを発売してくれるメーカーが存在するというのは非常に有難いです。
しかしながら、海外では発売されているTime Stream系統の最上位Ultraが編組になっているのが残念。ですが、先にも書いた通りDuetはフラットケーブル状を維持しているので、発売されたら真っ先に確保しようと考えています。
4.TIASへの参加
これは純粋に自分の経験値を増やすという事ですが、TIAS2024に参加できたことが非常に大きかったです。
沖縄にいると様々な機器の試聴機会はどうしても限られますし、ましてやハイエンドクラスの試聴なんて、実質的に不可能というレベルになります。
そういった機器を数多く試聴できるイベントは極めて貴重で、確かに東京へ遠征するというのはそれなりに大変ですが、毎年は無理でも定期的に参加し続けたいなと思いました。
やはりスピーカーの世界はヘッドホンやイヤホンの世界よりも歴史が長く、到達している領域も高い(その分高価ですが)です。
その為に、「今の状態から突き詰めて行くとこういう世界になって行く」というのが、予想では無く実体験として得られ、特にゼファンブースで聴いたMrtenとBayzのシステム、そしてソナスのSupremaは本当に素晴らしい経験となりました。
今後自らのシステムを改善する際の基準が出来たという意味でも、とても有意義な遠征だったと思っています。
大まかに分けるとこんな感じでしょうか。
ざっくり振り返っただけでもこれだけの量になるので、やはり今年は大きく動いた年だったと言えますし、その分実りの多い年であったとも言えます。
2025年はこの得られた知見から更に詰められる部分に手を入れ、昇華させていくのが大きな課題になるかなと考えています。
機材に関しては今年ほど動くことは流石に無いと思いますが、それでも導入を決めた物もそれなりにあるので、少なからず動く年にはなると思います。