先日の記事で、ポータブルで使用するプリアンプについて、真っ当な手段でなければいくつか思い浮かぶと書きました。その辺りを今回は書いてみたいと思います。
1.ポータブル電源でプリアンプを駆動する
AC電源が取れるポータブル電源を使い、100V電源のプリアンプを駆動するという、それ言ったら何でも有りやんという超力技。
これはまあ一応不可能ではないだけであって、解決策とは到底言えない案です。
ポータブルどころかキャリアブルとかトランスポータブルですらなく、敢えて言うならムーバブル位?
工夫も何も有ったものでは無いので当然却下。
2.バッテリー内蔵のプリアンプを使う
これもまあ一応出来なくは無いというレベルで、実用性は無いといって良いレベルかつ製品も非常に限られます。
品質も考えれば普通に据置フルサイズレベルの筐体となりますし(下手したらそれが二筐体)、重さも推して知るべし。
一応ある程度コンパクトなバッテリー内臓のプリアンプも無くは無いですが、それだと音質的に追加する意味は無いと思われます。
当然却下。
3.フィールドミキサー、ポータブルミキサーを使う
これはオーディオ用途の製品では無く、映像(動画)の世界で音声収録に使われる物。時折テレビに写り込む音声さんが肩から下げてるバッグに入っているであろうあれ。
メーカーとしてはSigmaやPROTECH、SHURE辺りが品質的に評価が高いでしょうか。
これは1や2の手段と比較すれば随分マシですが、それでもかなり大きい事に変わりはないです。
また、オーディオ用では無い上に、ミキサーをプリ替わりにするという発想なので、とにかく結果が読めない。
中古で探せばそれなりに安価で買う事は出来ますが、正直これも力技感が否めず、その割に結果に期待できる感じはしないので却下。
4.パッシブモニターコントローラーを使う
これは音楽制作系の機器です。現行品だとHAYAKUMO izaraiとかHeritage Audio Baby Ram辺りが候補になります。
品質そのものは悪くなさそうですし、パッシブですから電源は元々要りません。
ですが、デスクトップ環境ではコンパクトと言っても、やはりポータブルと言うには大きすぎますし、また入出力端子も6.35mm TRSだったりして使いにくいのでこれも却下。
5.パッシブプリアンプ(パッシブアッテネータ)を使う
現在画策しているのがこの案です。
パッシブプリは1万円前後の極めて安い製品もありますが、その辺りは単にRK27(下手したらそれ以下)等の可変抵抗を使っただけの物なので当然駄目。
最低でも抵抗切替式になっているアッテネータ採用の物で、可能ならばスイッチや抵抗にもある程度拘っている物が望ましいという感じでしょうか。
このジャンルではトランスタイプの評価が高いですが、重さと大きさの観点からどうやってもポータブルにならなさそうなのでそこは妥協。
抵抗切替式だと音やせの問題が指摘されていますが、それでも現状のポタ環境のプリの実力よりは信頼できるだろうと判断しています。
既製品ならば品質とサイズ的にはGOLDPOINT SA1Xという製品がかなり良い感じなのですが、海外からの個人輸入かつ10万円を超えるのがちょっと。
自作なら手間を惜しまなければかなり安価に済ませられそうなのと、ケースサイズを切り詰めるのも自分で工夫出来るので、多分こっちになります。
アッテネータは東京光音から出ているスイッチにBispaで買えるLGMFSA抵抗辺りを組み合わせるか、更に妥協してEIZZのGOLD4連アッテネータを使うかといった所。
EIZZのGOLDは一応妥協とは言っても、使われている抵抗がアムトランスのAMRS(オーディオ用カーボン抵抗)なので、そこまで悪くは無いだろうという読みです。その割に4連でも2.5万円位で済むので、手間も含めてコスパは良さそうです。
後者はアッテネータが完成品なので、自作と言うよりは半自作位の感じでしょうか。ケースと入出力端子を準備して、後は結線及び組み立てるだけですし。
なお、ここに入るであろうジャンルで変わり種としてフェーダーボックスがありますが、これはちょっとサイズ的に無理でしょう。P&Gのフェーダー採用の製品とかは音質が少し気になりますが。
ざっと思いつくのはこんな感じで、既に書いてますがポータブルという範疇で出来そうなのはまあ5番だけでしょう。
価格的にも自作ならそんなにかからないでしょうし、ある程度の品質は確保できると思いますので、こちらを軸に検討していきたいと思います。